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updated 2023-02-17

はじめに

はじめに



本コーナーではカヤックフィッシングでの魚群探知機についての話題をまとめていきたいと思います。

10数年前のカヤックフィッシング黎明期の頃は、関東ではシーバスフィッシングがメインで、ロックフィッシュ、エギング、マダイ、青物などは時々狙う程度でした。
その当時魚探に求められる性能は…「防水性」「カヤックでの携帯性」「乾電池での動作」により、主力(というかほぼ一択…)機種は本多電子の「HE-51C(現在廃盤)」。

それから数年の間に、マダイ、青物を主に狙うスタイルも多くなり、プロッターとしての機能(海上地図・軌跡&ポイントのログ等)も求められるようになって、その同時期にリリースされたHE-51Cの後継機…同じく単3乾電池で使用できるプロッター魚探「PS-501CN」が主力に成り代わりました。

大体のカヤックアングラーの年齢層は30〜40代が多く、これまで魚探を使用したことが無く「憧れの用品」だった方も少なくないでしょう。(自分もその一人です)
比較的低価格で入手できるという点も大きく普及に貢献し、何より「魚群探知機」を使うということでもアングラーの想像力を膨らませ、モチベーションを上げてくれます。

「PS-501CN」移行搭載されたポイント登録等のプロッター機能が、正にカヤックフィッシングのスタイルにマッチして、「自らポイントを開拓する」というスタイルが定着したと言ってもいいでしょう。そしてプロッタ機能もPS-511CNを経て、現在(2017年)はPS-611CNと強化され、カヤックフィッシングでの定番機として君臨しています。

ホンデックス(本多電子)・PS-5XX系シリーズ


画像は約十年前に本多電子より発売された「HE-51C/初期型(現在廃盤)」。
初期型4インチから後期型4.3インチ高輝度液晶になり、その後比較的リーズナブルな価格でGPS&簡易プロット搭載モデルとなった「PS-501CN(ちょいナビ)」、コストパフォーマンス重視のGPS&プロット非搭載モデル「PS-500C」にモデルチェンジ。
丁度日本のカヤックフィッシングも他魚種ターゲットの傾向が強くなった時期でもあり、カヤック用品の中でも必須と言ってもいいほどのベストセラーに含まれるようになる。
プロット性能の向上した現行機種「PS-511CN」に至るまで、この筐体の形状と単3乾電池使用など、基本コンセプトは変えることなく現在までこのタイプは発売されている。
最も多くのカヤックアングラーが愛用しているシリーズと言っても過言ではない…



それ移行、より深度、プロット性能を求め、海外製の魚探を導入するユーザーも出てきましたが、ある程度のグレードの機種になると乾電池での運用でなく、外部バッテリーでの使用になるため導入のハードルが高く、使用するのはコアなユーザーに限られてましたが、最近はカヤックの艤装のバリエーション、小型バッテリーの登場により、以前よりハイエンド機が導入しやすくなったように感じます。

ただ、あくまで個人的意見ですが、高性能、多機能であれば良いというわけではないと考えています。
もちろんより内容が充実してるにこしたことはありませんが、当然予算的な部分、運用面での都合、どこまでの性能・機能を求めるかなど、人によって「これが適当」という基準は異なってきます。

黎明期の頃と比べて現在は魚群探知機の選択肢が増えた分、これからカヤックフィッシングを始める方、機種の変更に色々迷ってしまう方も少なくないと思います。
今回は当店取り扱いの魚探に限った上、個人的主観に寄りますが、それぞれの特徴をご紹介したいと思いますので、魚探選びの参考になれば幸いです…

(kayak55.comスタッフ/チャン松)

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魚探の選び方(その1)

魚探の選び方(その1)



例えば、これからカヤックフィッシングを始める方の場合ですが、カヤックフィッシングの対象魚がシーバスメインだとします。
しかしカヤックを購入後、釣行を重ねて行く内にマダイ、青物、根物等と対象魚種が増える可能性は十分あります。
シーバスフィッシングに足るスペックで魚探を買ったものの、のちのち対象魚が増えてより高いスペックの魚探が欲しくなってしまう…といったケースは少なくないです。その逆に高スペックの物を買って、結果エントリーモデルで足りてしまったりすることもあります。

ただ、その辺りの見当がついても、機種によっては振動子、バッテリーの取り回しの部分で逡巡してしまったりします。それらが手を掛ければ解決できるものなのか、個人的に許容できる内容なのかなど、魚探の性能以外でも見当しなければならない所があります。

・カヤックフィッシングによる今後の釣りの展開を想定する。
・今後の釣りの展開を想定した上で、使用フィールド、対象魚を踏まえた上で必要なスペックを考える。
・使用するカヤックに合った、振動子、バッテリー等の設置・運用内容をシミュレートする。

まず「探査深度(測れる水深)」ですが、メーカーのカタログ表記では、あくまで最も好条件での数値と考えた方が良いです。基本的に何かしら音波の妨げになる要素…プランクトン、塩分濃度、細かいゴミ等が存在する状況下での使用になり、間違いなく不純物の無い真水での使用は有りえませんので、個人的にはカタログ表記の80%ぐらいを実用深度と想定しています。よほどの悪条件で無ければ、エントリーモデルでも少なくとも80mは測定できるでしょう。

上位機種の物になると、使用方法によっては300m近くの深度に対応しますが、そもそも全国的に見てフィッシングカヤックで安全に漕行できる範囲で、中深海と言われるほどの水深のエリアは極めて限られます。それらのエリア以外で、ひとまず魚探の実用深度だけで考えればエントリーモデルでも十分な場合が多いです。

次に「周波数」ですが、高周波のみ、高周波&低周波のを備えている物があり、エントリーモデルは測れる水深が浅めで、自艇の真下の狭い範囲で魚群の群れを細かく捉えられる高周波の1種のみ。
高性能になると高周波ほど魚群を細かく捉えない分、広範囲に魚影等を捉え、より深い水深を探れる「低周波」の両方(複数)が使えるようになります。
価格はそれなりに高くなってしまいますが、欲を言えば2周波対応魚探で、低周波で広範囲に探り、大まかな見当を付けた所で高周波で絞った範囲で狙うという使い方ができるのが理想です。

この辺も個々の釣りのスタイルによって、どこまで求められるかが異なってきますが、異なる周波数を同時表示ができれば、より魚影の状況が明確になるので決して無駄ではないでしょう。



通常魚探以外の機能ですが、プロッター(GPS)…プロッターというのは内蔵GPSと連動した地図機能、出艇ポイント、現在位置の表示、ポイント登録などを行う機能です。

左がPS-501CNのプロット画面(本多電子HPより抜粋)/右がHE-601GPIIのプロット画面

非搭載の物と比べ価格が高価になりますが、昨今のカヤックフィッシングではプロッター機能の普及率は非常に高いです。
高機能になると、予めある程度の等深線データがインストールされてたり(自身でデータを別途用意してインストールする場合もあります)、自艇が漕行した所をリアルタイムに記録していくタイプなどもあります。

左がechoMAP CHIRP 45dvの自動等深線作成「クイックドロー」
右がechoMAP CHIRP 45dvの「ダウンビュー」魚探画面
あとは魚探画面をより視覚的に表示する「ダウンビュー(サイドビュー)」。魚探画面を過去にプレイバック・記録する機能などもありますが、高性能な機種になるとバッテリー運用の面で妥協・工夫が必要になる場合があるので、その辺りも含めた検討が必要です。

魚探の選び方(その2)に続きます…

(kayak55.comスタッフ/チャン松)

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魚探の選び方(その2)
2016年10月29日更新

魚探の選び方(その2)



上左から、HE-601GPII用、ガーミンechoMAP CHIRP用GT20、GT21、
下がPS-5XX系&PS-600GPII用振動子
次に魚探の機種選びで気になるのが「振動子」です。
使用する(または購入予定の)カヤックへの適当な振動子設置の方法を確認する必要があります。
振動子設置のパターンは、大まかに3種類…「カヤック内部の底面に貼り付ける」「スカッパーホール(デッキの水抜き穴)を介しての設置」「デッキ等から振動子アームを使って設置」などがあげられます。

・「カヤック内部の底面に貼り付ける」…カヤック内部へのアクセスが容易であること、内部底面が比較的平面に近い箇所がある。

毎回取り外しがしやすいように入れ歯安定剤を使って底面に貼り付けるのが、
カヤックフィッシングでのインハル設置の定番。

・「スカッパーホール(デッキの水抜き穴)を介しての設置」…ホールの艇底側が、着岸時も振動子が地面に干渉しない範囲で、うまく振動子が引っかかる形状である。何らかの工夫で振動子が固定できる。

予め振動子対応形状に作られているスカッパーホールの艇は限られる。

・「デッキ等から振動子アームを使って設置」…アームのマウントベースの設置場所がある。パドリングに干渉しない範囲にアーム設置することができる。

割り切ってアーム併用を前提とすれば、カヤックの選択肢の幅はぐっと広がる。

一昔前は「カヤック内部の底面に貼り付ける」、「スカッパーホール(デッキの水抜き穴)を介しての設置」のパターンが好まれ、それが原因でカヤック本体の選択が限られた事もありましたが、現在はスコッティ、レイルブレイザなどの艤装パーツメーカーから「トランスデューサーアーム」と呼ばれる振動子用ステーが発売されたり、DIYで快適に使用できるメソッドが確立されているので、割り切って「デッキ等から振動子アームを使って設置」にすれば、好みのカヤック本体で使用することができます。


そして魚探本体の設置場所ですが、出来る限りご自身のカヤックに実機を置いて確認した上でマウントの艤装を行うのが望ましいです。
通販でカヤック本体と魚探を同時される方で、ショップにお任せで設置するケースが結構多く、決してダメというわけではありませんが、実際に着座する人の体型、ボタン操作の頻度、視力等で、好みの位置は変わってきます。
一番ベストなのは、ご自身で直接設置位置の具合を確認することです。最悪最終的にマウントベースを付け直したり、エクステンダー等のパーツで位置を調整すれば済む話ですが、不用意にカヤック本体への加工や、余分な買い物は避けたいところです。



最寄りに艤装を請け負ってくれるショップがあったり、周囲に経験者が多数いらっしゃる場合は、実際の使用例のサンプリングなど、相談に乗ってもらったりできるのですが、カヤックフィッシングを始めたばかりの方や、周囲から自身が望む情報が得られない方も少なくないでしょう。そういった方は一度当店、または魚探を扱っているカヤックショップに電話、メールでも良いので事前に相談されることをおすすめします。

次回は主な機種を紹介致します…!

(kayak55.comスタッフ/チャン松)

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主な機種紹介(その1)
PS-500C & PS-511CN-W or E & PS-611CN
2017年9月2日更新

主な機種紹介(その1)

PS-500C & PS-511CN-W or E


今回は簡単ではありますが、当店で扱っている主な機種になりますが、比較的ビギナーにも扱いやすい機種のご紹介です…!

HONDEX(本多電子)・PS-500C】

言わずと知れた国産メーカー「本多電子」のポータブル魚探です。
純粋にベーシックな魚群探知機の機能のみを求める方、これまで魚群探知機を使った事が無い方におすすめの定番機種の1つです。
正直この機種で、ある程度の魚種を狙うことは可能です。
単3乾電池で使用でき、サイズも手頃、特に細かい使い方でなければ、箱出し状態でもオートでの深度・感度で使えるので初心者の方でも使いやすい機種です。
日本のカヤックフィッシングで1~2番目に普及している機種ではないでしょうか。

【メリット】
価格が安価である。乾電池で作動する。振動子が比較的カヤックに設置しやすい形状・大きさ。
【デメリット】
魚探機能のみなので、ある程度カヤックでの釣りの展開が広がる場合はプロット(地図&GPS)機能が欲しくなり、先々物足りなさを感じる可能性がある。

SHOP kayak55.com / PS-500C

【PS-500C 補足・GARMIN社のハンディGPS「eTrex10J」との併用

PS-500Cを使用で、GPS・ポイント登録機能が欲しくなった場合、GARMIN社のハンディGPS「eTrex10J」を併用する方法もおすすめです。後述の「PS-511CN」もGPS機能が入っていて魅力的ですが、ポイント・軌跡データーが外部にデーターをバックアップすることができません。加えて魚探画面と地図画面の同時表示ができないので、つどボタン操作で画面を切り替える必要があります。「eTrex10J」はUSB端子があり、PCでデータ管理が行え、PS-500Cと並べて設置することで、地図・魚探2画面同時に見る事ができます。もちろんGPS単体で、カヤックフィッシング以外のトレッキング、サイクリングなどのスポーツでも活用できます。
ただ、価格、持準備の手間を考えるとPS-511CN方がシンプルに纏まります。なので広い目でPS-500C+eTrex10J、PS-511CNのどちらかを検討するのも有りだと思います。
(上位機種で「eTrex20J」等もあり、こちらは等深線データー等を入れる事も可能ですが、自らデータを用意する必要があるのと、結果合計価格がかなり高くなり、価格帯的にHE-601GPII、GARMIN・echoMAPも候補に入ってくるので微妙な所はあります…)

メリット
ポイント・軌跡のバックアップ、データ管理がPCで行える。GPS・魚探画面を同時に見ることができる。
GPS単体でカヤックフィッシング以外にも活用できる。どちらも乾電池で作動する。
魚探本体は国内メーカーという安心感。(GPSも正規輸入代理元経由なら日本語も対応しているので特に問題は無い。)
デメリット
総合的に価格がPS-511CNよりも高価になる。

SHOP kayak55.com / PS-500C
SHOP kayak55.com / Garmin・eTrex10J

【HONDEX(本多電子)・PS-511CN-W or E】

PS-500Cの兄貴分的機種で、旧モデルのPS-501CNから日本のカヤックフィッシングで多く普及している機種です。GPS+簡易プロットでのポイント登録、軌跡のログ取得などカヤックフィッシングにおいて有用な機能を備えています。
PS-500C同様単3乾電池での使用が可能で、乾電池起動の機種の中でかつ比較的リーズナブルな価格帯で、特定のポイントの位置を記録しておきたい釣りに最適なモデルです。
中に収録されている海岸線と主な漁礁等のデータも、旧モデルのPS-501CNより、海岸線の縮尺が細かく表示されるようになり、魚探深度設定も10m以下設定が細かく、シャローエリア、バスフィッシングでの釣りでの使い勝手も良くなっています。その代わりデータ量が増えてしまい、購入時は予め、西日本データ(W)か中~東日本データ(E)のどちらか選ぶ形になっています。

メリット
GPS・簡易プロット内蔵でこの価格はリーズナブル。乾電池で作動する。振動子が比較的カヤックに設置しやすい形状。
国内メーカーという安心感。
デメリット
西日本データ(W)か中~東日本データ(E)と2種類選択となっている。
地図と魚探同時表示ができないので、つど画面切り替えボタン操作が必要。
ポイント・軌跡データを自身でのバックアップ・移行が不可(メーカーに出せばデータ移行はできるが、データ互換機種に制限がある上、当然工賃も発生する)

SHOP kayak55.com / PS-511CN-W or E

【HONDEX(本多電子)・PS-611CN】


2017年PSシリーズの最新モデル。ボディサイズはPS-5XXと同じで、画面サイズが少し大きくなり(5インチに拡張)、プロット画面も白地図からPS-600GPII同等の全国詳細地図が採用され一気に強化されました。

簡潔に言ってしまうとPS-600GPIIのマイナーチェンジしたものと考えて良いかもしれません。画面表示パターンとボタン等の操作類はPS-600GPIIを踏襲。
PS-600GPIIと異なるのは、PS-5XXの真骨頂…外部電源・電池ボックス不要で単三乾電池8本で使用可能で、社外品の電池フタとバッテリーが一体化したリチウムイオンバッテリー(BMO HONDEX魚探用バッテリーパック)も登場し、それと併用すれば運用面が向上。

今後のカヤックフィッシングでの入門機として定番になるのは間違い無いでしょう。

メリット
PS-600GPII同等の全国詳細地図データにより購入後即戦力でプロッターを活かした釣りを実践でき、価格もPS-600GPIIより安価で、画面サイズはPS-5XXなどの縦4.3インチから5インチにサイズUP、地図・魚探2画面同時表示可能。PS乾電池式シリーズ対応の社外品リチウムイオンバッテリー登場によりPS-600GPIIよりも運用面が楽になる。
デメリット
画面サイズ・機能向上の都合で乾電池での使用の場合PS-5XX系より作動時間はアルカリ単3乾電池8本で8時間と減少。(ただし社外品のリチウムイオンバッテリー使えば約11時間前後まで向上)。
魚探性能はPS-5XX系そのままなので、PS-5XX系から買い替えの際、魚探性能向上の望む場合は、本機を選択肢になるかは微妙になり、その場合はバッテリー運用を妥協して、ガーミン社等のモデルを選ぶことになる。
相変わらずSDカード等の外部記憶では無いので、ポイント・軌跡データを自身でのバックアップ・移行が不可(メーカーに出せばデータ移行はできるが、データ互換機種に制限がある上、当然工賃も発生する)

SHOP kayak55.com / PS-611CN

主な機種紹介(その2)
HE-601GPII & PS-600GPII※販売終了
2017年9月2日修正

主な機種紹介(その2)

HE-601GPII & PS-600GPII※販売終了



前回に引き続き、今回はカヤックフィッシング向けミドルクラスの機種の紹介です!

HONDEX(本多電子)HE-601GPII

ホンデックス(本多電子)の高性能GPSプロッター魚探シリーズの中で最少サイズのモデル。
別途専用電池ボックス(DB01)が必要になりますが、乾電池起動可能な機種の中で一番機能・性能が高い機種です。機能ボタンの数が多いので、意外と比較的初心者の方でも使いやすいです。
当然GPS+プロット機能が搭載されていますが、その中でも等深線(詳細な部分は太平洋沿岸の限られた地域のみ)を含んだ全国詳細地図データは、初めての場所でも海底の大まかな地形が一目瞭然。魚探性能もPS-5XXシリーズよりも深く探ることができ、カヤックフィッシングのターゲットでメジャーな魚種ほとんどの釣りに高いアドバンテージをもたらしてくれます。

【メリット】
全国詳細地図データにより購入後即戦力でプロッターを活かした釣りを実践できる。
画面サイズ比がPS-5XXなどの縦4.3インチより見やすく、魚探・地図画面同時表示が可能。
別途専用電池ボックスが必要だが単3乾電池で作動する。国内メーカーという安心感。
【デメリット】
乾電池での使用の場合、画面サイズ・出力の都合でPS-5XX系より作動時間は短い(高容量の充電式乾電池を使えば解消できる)。
カヤックへの振動子設置の際、振動子の形状的にPS-5XX系ほど融通が利かない。
SDカード等の外部記憶では無いので、ポイント・軌跡データを自身でのバックアップ・移行が不可(メーカーに出せばデータ移行はできるが、データ互換機種に制限がある上、当然工賃も発生する)

SHOP kayak55.com / HE-601GPII

今回ご紹介した2機種は、地図・魚探同時表示に加え、地図・魚探の構成比を4段階調整可能なのと、魚探が等倍表示&海底固定・拡大表示が可能です。



HONDEX(本多電子)のカヤックフィッシングに適したモデルで、振動子が2種類あります。PS-5XX系&PS-600GPII用の「TD04」という振動子。こちらは比較的インハル(カヤック内部底面への設置)、カヤックの機種にもよりますが、スカッパーホール通しでの設置が最も容易にできる形状です。

右上がTD04、左下がTD03
HE-601GPIIの方は「TD03」という振動子になり、こちらは前記の「TD04」よりも若干大きくなり、設置の自由度が低く設置が若干煩わしくなります。極めて限られますが、一応この「TD03」をスカッパー通しで設置できるカヤックはあります。


【HONDEX(本多電子)・PS-600GPII※販売終了


2017年に販売終了。前記のHE-601GPIIの弟分的機種です。HE-601GPII同じ筐体・画面サイズ(5インチ)。
魚探の深度はPS-511CNとHE-601GPIIの中間ぐらいで、プロット地図の内容も若干違いその分価格を抑えています。
それでもPS-5XX系と比べれば十分な機能を備えているのと、振動子のサイズもPS-5XX系と同じなので、スカッパーホールを活用した振動子の設置になる場合、作業がが簡単なのが魅力です。

メリット
HE-601GPIIほどの内容はないが、全国詳細地図データにより購入後即戦力でプロッターを活かした釣りを実践できる。
価格もHE-601GPIIより安価で、画面サイズ比がPS-5XXなどの縦4.3インチより見やすく、地図・魚探2画面同時表示可能。
デメリット
画面サイズ・出力の都合で乾電池での使用の場合PS-5XX系より作動時間は短い(高容量の充電式乾電池を使えば解消できる)。
魚探性能・プロットデータ内容・価格差でHE-601GPIIと迷う。
SDカード等の外部記憶では無いので、ポイント・軌跡データを自身でのバックアップ・移行が不可(メーカーに出せばデータ移行はできるが、データ互換機種に制限がある上、当然工賃も発生する)

本多電子株式会社 / PS-600GPII

次回は、GARMIN・echoMAP CHIRP 45dv(55dv)をご紹介します…!

(kayak55.comスタッフ/チャン松)

主な機種紹介(その3)
GARMIN・echoMAP CHIRP 45dv(cv)&55dv(cv)&75sv
2017年9月2日更新

主な機種紹介(その3)

GARMIN・echoMAP CHIRP 45dv(cv)&55dv(cv)&75sv



■「dv」から「cv」に… ※2017年9月追記
2017年からガーミン社の魚探高精細解像表示機能「ダウンビュー(dv)」が、現地の商標権の都合のためなのか「クリアビュー(cv)」に名称を変更。機能は基本的には変わらない。

【GARMIN・echoMAP CHIRP 45dv(cv)&55dv(cv)】

言わずと知れた世界的GPS用品メーカーのGARMIN社の魚探。自ら漕行した箇所をリアルタイムで間隔30cmという細かさで等深線を作成する「クイックドローコンツアーズ」。通常の魚探画像とは違い、高い解像性能により水中写真のような画像でスキャン表示する「ダウンビュー」。過去の魚探画面を表示し、そのポイント登録・ナビ航行を容易にする「魚探スクロールバック表示」など…


高位機種ならではの2種類の周波の通常魚探仕様に加え、海中を写実的に表示するダウンビューでより明確にボトムをチェックすることができる。

自ら30cm間隔という精細な等深線を作り出すクイックドローにより、釣果への恩恵はもちろんフィールドへ通い漕ぎ続けるモチベーション向上にも繋がる。ちなみに無料で「国土交通省 海岸線+556湖沼データ」(等深線データは入っていない)をダウンロードができる。

魚探性能も前記の「ダウンビュー」はもちろんですが、通常魚探でも一番最少サイズの振動子「GT20」使用でも300m、「GT21」になるとスペック上600mまで測ることができる高性能プロット魚探です。
何よりも通常魚探で低周波(50kHz GT20振動子は77kHz)・高周波(200kHz)の2種の周波数が使用できるので、エントリーモデルの魚探より水中のイメージが広がります。
外部バッテリーでの使用になり、乾電池で運用はできませんが、その機能・性能からそのデメリット差し引いても十分過ぎるスペックです。
本体性能が同じで、カヤック向けの画面サイズが2種モデル(4.3インチ、5インチ)あり、画面構成の自由度・設置箇所・スペース等の都合上どちらにするか人によって迷う所なので、その十分に検討する必要があります。




左:55dv/右:45dvの画面。各機能の見やすさでは圧倒的に55dvに分がある。分割方向と比率の調整次第では45dvでも十分使用できるが、使用者の許容範囲と本体の設置箇所による。ただ筐体のサイズ的には45dvのコンパクトさも魅力的。あと画面サイズはバッテリーのパフォーマンスにも大きな影響があるので、画面サイズは十分に検討したい。


前記のホンデックス魚探の振動子と比べ、大きさ・形状的に設置が容易ではない。そのあたりを許容できるかどうかも重要。

【メリット】
「クイックドローコンツアーズ」「ダウンビュー」などカヤックフィッシングで使用する上で申し分ない高機能を搭載。魚探性能も高精度で、使用する振動子によっては中深海の釣りも対応できる。
低周波(50kHzGT20振動子は77kHz)・高周波(200kHz)2種類の周波数(ダウンビューも入れれば4種)が使える。
画面構成も、2種類周波数同時表示。地図・魚探2画面同時表示、など画面レイアウトの自由度が高い。
海外メーカーだが、日本正規輸入代理元経由での購入であれば、日本語対応メニュー・保証面も問題無い。
【デメリット】
外部バッテリー運用が前提になるので、カヤックでの使用ではバッテリーの配置・配線の処理が若干面倒。
振動子の設置も形状・大きさ的にインハルが困難で、振動子アームの併用になる場合が多い。
地図の等深線データは自ら漕行して作り上げていくか、既存データ(正規の物で4万円と高価)をインストール必要があり、購入時は等深線データは当然白紙なので、予めある程度の等深線データが入っているHE-601GPIIの方が即戦力になる。多機能が故に初心者にはとっつきにくいかもしれない。

SHOP kayak55.com / echoMAP CHIRP 45dvSHOP kayak55.com / echoMAP CHIRP 55dv

【GARMIN・echoMAP CHIRP 75sv】
※2017年9月2日追記

ガーミン社の「echoMAP CHIRP」シリーズの7インチモデル。45&55cv(旧名dv)とは画面サイズだけでなく、魚探高精細解像表示機能の「クリアビュー」に加え、艇の両サイドを平面的に描写する「サイドビュー」機能も追加されていて、クリアビューからさらにボトムの形状・ストラクチャーが明確になり、移動中も広範囲を意識した探索が可能なります。


 
画面も1サイズUPと同時に機能表示が45&55cvの同時2画面(通常魚探2周波数で3画面)に対し、同時3画面(通常魚探2周波数で4画面)になり、1機能のスペースが広く取れ、リアルタイムで等深線を作成する「クイックドローコンツアーズ」によるプロット画面等も非常に見やすいです。
 
あと「Panoptix」という3Dソナー機能があり、必須オプションの価格が高価なのが難点ですが、リアルタイムに艇周辺の地形・魚影を把握することが可能です。


【メリット】
7インチ画面サイズで機能同時表示が3画面(通常魚探2周波数で4画面風)になり、レイアウト次第で1機能あたりの面積が大きくなり見やすくなる。「クイックドローコンツアーズ」「ダウンビュー」に加え、艇の両サイドを平面的に描写する「サイドビュー」機能も追加。別売の専用ソナーを追加すれば「Panoptix」という高性能3Dソナー機能の使用も可能。

【デメリット】
魚探本体もそれなりのサイズになり使用する艇によっては設置箇所・方法が限定され、予め本体サイズと艇の設置箇所のマッチングの確認は重要。場合によってはマウントにエクステンダーが必要となる。画面サイズが大きくなる分電力消費も増え、1回の釣行で少なくとも12V/7〜8Aのバッテリーは欲しい。
サイドビュー機能が不要で純粋に画面サイズのメリットを求める場合はコスト面で迷う所。


SHOP kayak55.com / echoMAP CHIRP 75sv


(kayak55.comスタッフ/チャン松)

魚探の画面のサイズについて
2017年9月2日更新

魚探の画面のサイズについて


各メーカー全てのモデルで見ると画面サイズは様々です。カヤックフィッシングに適当なサイズは大体4~5インチあたり、大きくても7インチまででしょう。



大きいに越したことはありませんが、本体の設置箇所、本体サイズが使用するデッキ上で邪魔にならない範囲に収まるかどうかと、画面から自身の距離を踏まえた上での魚探内の各機能画面を視認できるかどうかが重要で、個人的にその条件に当てはまる範囲であれば、画面サイズは4.3インチでも十分だったりします。



あとは、その魚探の機能画面と、表示設定の内容次第だと思います。
たとえばPS-511CNは地図・魚探の画面は同時表示ができず、そのかわりボタン切り替えでそれぞれ全画面表示になり、PS-511CN/PS-500Cの魚探画面の等倍・ズーム同時表示も画面縦2分割で、余程魚探本体を遠くに設置しない限りは魚探画面を目視するのに4.3インチでも問題ありません。

HE-601GPⅡ/PS-600GPIIは横長のインチ画面で、地図・魚探画面は縦2分割、さらに4段階で表示面積の振り分けができます。


echoMAP CHIRPはもっと画面調整が細かくでき、縦・横分割の選択、上限下限はありますが、無段階に近い操作で画面の振り分けが可能で、55cv(5インチ)、45cv(4.3インチ)かで迷うところです。
 

echoMAP CHIRP 75sv(7インチ)になると、かなり面積に余裕があり、多機能同時表示にしてもプロット画面の見やすさが損なわれにくく、同時画面表示のバリエーションの幅もひろがります。

もう一つ確認したいのは、画面サイズによりバッテリーの消費ペースが変わるので、事前にその辺りの比較を把握しておいた方がいいでしょう。

(kayak55.comスタッフ/チャン松)

電源・バッテリーについて
2017年9月2日追記

電源・バッテリーについて


今回は電源・バッテリーに関する話題です。
一番カヤックフィッシングに導入し易いタイプは、乾電池で稼働する電池ボックス一体型タイプ…たとえば本多電子/ホンデックスのPS-5XXシリーズです。

一時期は、ほぼ100%といっていいほどこのシリーズ(当時はHE-51C等)が使用されていました。単3乾電池×8本でカラー4.3型液晶画面という絶妙なバランスは現在にも引き継いでベストセラーになっています。

【BMO・HONDEX魚探用バッテリーパック】


2017年BMO社から「HONDEX魚探用バッテリーパック」が登場。ホンデックスPS-5XXシリーズの電池収納部&フタの形状を流用し、フタと11V/2.9アンペアのリチウムイオンバッテリーを一体化した専用バッテリーで、同年時期リリースのホンデックス新商品「PS-611CN」のリリースを狙ってかは定かでは無いが、シリーズ従来機から画面サイズ・機能向上によるバッテリーパフォーマンスのデメリットの軽減に一役買って、「PS-611CN」にとってマストとなるアイテム。専用充電器があり充電作業も簡単。



ミドルクラスのHE-601GPII(PS-600GPII)も、別売りオプションの外部電池ボックスを併用すれば、同様に単3乾電池×8本で稼働させることが可能です。ただし振動子の出力と画面の大きさによる消費電力が高いため、高容量(高アンペア数)の充電式乾電池の使用が必須になります。


ハイエンドの魚群探知機になると乾電池での使用を前提に設計されてないので、否応無く外部バッテリーの併用が迫られます。
(一部オプション、または自前で乾電池ボックスを組むこともできますが、使用時間が短くフィールドでの使用は難しいです…)
前記のHE-601GPII(PS-600GPII)も、バッテリー残量を全く気にせず使用したい場合も同様に外部バッテリーの併用が望ましいです。


そこで問題になるのが、ある程度濡れる事を前提とするカヤックフィッシングでは「防水(防滴)」であることが必須になり、その上でバッテリーの管理が非常に面倒になるため以前は敬遠されがちでしたが、後に自作でバッテリーを防水化してみたり、電動リール用等の予め防水化されたバッテリーを導入することで幾分導入しやすくなってきました。


最近は本多電子からUSB端子・昇圧回路を用いた電源ケーブルも登場し、モバイルバッテリーでの稼働も可能になりましたが、水上での扱いには十分注意が必要です。
殆どのモバイルバッテリーがリチウムイオンを用いたタイプで、端子を濡らしてしまうと保護回路の破損により異常発熱・発火し、その場合安全かつ速やかな放棄ができなかったら最悪カヤックに致命的な損傷を与えかねません。
ですので、同じリチウムイオン系の充電池でも前記のような電動リール用のバッテリーが一番望ましいです。これらは接続端子以外は防水化され、接続端子が何らかの形で直に通電してしまっても、電流を遮断する内蔵回路が組み込まれているので、最悪の状況を防止することができます。(ただし水没はNGの物もあります)

各メーカーが推奨し、長きにわたり多く使用されているのが「制御弁式鉛蓄電池(鉛バッテリー)」です。

容量に伴う大きさ・重さはリチウムイオン系に分がありますが、容量に対してのコストの良さ、リチウム系ほど安全面に気を使わなくていい点(ただし完全な安全を保証するものではありません)など、メリットが魅力です。
重さ・サイズを気にしなければこのタイプのバッテリーが無難かと思います。

次に注意したいのが、使用する魚探本体の許容電圧です。
メーカーによって表記は異なりますが、本多電子の場合は「電源電圧」、ガーミンの場合は「電圧範囲」などの表記で示されていて、その数値範囲以上だと本体の破損、それ以下になると電圧不足による使用不可状態になります。充電池に表記されているスペック上で12V(の魚探)対応と謳われている充電池であれば問題無く使用できるはずです。(メーカーによっては推奨する充電池以外での破損は保証外になる場合があります)
あともう一つの注意点としては、魚探の専用電源ケーブルにヒューズを備えている場合は、バッテリー側に限らず本体側(振動子のケーブルの破損による通電トラブルなど)に異常が生じた場合に備えるためにも必ずそのヒューズの使用が必要になります。



バッテリー端子をワニ口クリップで挟む形での接続の場合は、魚探付属電源ケーブルの先端をワニ口クリップ化する必要があり、その場合も必ずヒューズを省かずに結線します。元々船舶のコンソール設置を想定しているモデルでは電源ケーブルの主線が細い物が多いので、その場合は断線防止のため予め熱縮チューブ等での補強もした方がいいでしょう。

バッテリー本体を防水ケースに封入する場合は一緒にヒューズも入れられればベスト。

カヤックフィッシングで使用する魚探を選ぶ上ではバッテリーの運用も重要な要素です。
バッテリー運用のし易さを優先し乾電池仕様にするか、それとも魚探の性能優先し外部バッテリーの併用を許容するか、さらには外部バッテリーの選択など、使用者のスタイルで望む魚探のスペックも併せて十分に検討する必要があるので、購入の事前に経験者や、カヤックとあわせて魚探も扱っているショップに相談することをお勧めします。

(kayak55.comスタッフ/チャン松)


★おまけ★
外部バッテリー併用になると、魚探メーカー純正品以外の物だとスペック上の使用時間の見当がつきにくくなりますが、その場合は下記の簡易計算式である程度見当を付けることができます。
(注意:常時魚探の設定、使用条件等で変動するため正確な数値を測るものではありませんのであくまで参考まで…)

【消費電力の簡易計算方法】
●W(消費電力)÷◯V(使用電圧)▲A(消費電流)
△A(バッテリー容量)÷▲A(消費電流)■時間

《例》
「echoMAP CHIRP 45dv(消費電力5W)」に
「BMOアウトドアバッテリー4400(使用電圧14.8V/バッテリー容量4.4A)」での使用。

5W(消費電力)÷14.8V(使用電圧)0.3378A(消費電流)※今回は小数点第五位以降切り捨て
4.4A(バッテリー容量)÷0.3378A(消費電流)13.0254…(約13時間)